松丘保養園 天地聖一さん(3)
松丘保養園(青森県)早死にのあなたと語る恐山
五指無いが卑下する気持ち捨てて生き
この命素敵な出会い有り難う
天地聖一さんの略歴
松丘保養園 昭和8年11月19日青森県三戸の商家に生れる。太平洋戦争末期に少年時代を送り、家業の塩つくり奉仕。昭和20年長男出征。家業の跡を継ぐ覚悟を決めるが発病。翌21年大火傷を負う。25年6月松丘保養園に入園、15畳間の5人部屋で園生活。治療薬プロミンを受けるも副作用で三叉神経痛や手足の神経痛で重病棟へ。入退室を繰り返すうち、短文芸でも学ぼうと決意。「でこぼこの人生歩む義肢を撫で」とばかり、昭和32年からNHKの通信講座を受講、同時に詩の会「夕星会」に入会し詩歌作法を学ぶ。昭和34年県立弘前高校通信教育を受講、太宰治の研究家・相馬正一に大きな影響を受ける。自身の向学心やさまざまな縁により平成12年、詩歌・短文集『満ち潮』を発刊。2003年3月死去。